音楽という養分

 いつも思うんですけど、心身ともに成長していく時代、いわゆる思春期であるところの中学生〜高校生くらいの頃に聞いていた曲というのは、体の中の奥の方にしっかり染みこんでいる気がしませんか。あの時代は今みたいに音楽をどんどん消費する聴き方ではなく、ひとつの曲、一枚のアルバムをそれこそ擦り切れる程に毎日毎日浴びていた。それらが成長の過程であきらかに細胞の中に組み込まれてるんです。その証拠にあれから随分長い年月が過ぎているというのに、イントロを聞けばエンディングまでが体の中を吹き抜けるし、全ての歌詞を追う事が出来る。
 コドモの頃、大人はどうして懐メロ番組が大好きなんだろうと不思議で仕方なかったんです。自分にとっては今流行っているこの歌こそが重要なものであって、過去の物などまさに遺物でしか無かった。でもその頃の大人の気持ちがとうとう判るようになっちゃったんだなあと悲しいような嬉しいような。いや、悲<嬉、ですけどね、明らかに。
 そういえば今NHKプリンプリン物語を再放送してるんですけど、20年以上ぶりに聞く歌を石川ひとみの歌に合わせてきっちり歌えてしまった自分がこれまた可笑しくて仕方ありませんでしたよ。「私の〜祖国〜♪」