暗黒館読了

暗黒館の殺人 (上) (講談社ノベルス)

暗黒館の殺人 (上) (講談社ノベルス)

暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)

暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)

 もんのすごい久しぶりの館!あまりの分厚さに出てからしばらくは手に取れずにいたんですが、先日ついに購入。のんびりゆっくり読み進めていました。そして昨日ついに読了。感想はネタバレ含みなのでこれから読む予定の人は見ちゃダメ。続きを読む、からどうぞ。
 正直、どうにもすっきりしないというのが最初の感想です。館なのに。館ならではのばっさり斬るような謎解きを期待していると肩すかしを食らいます。手法的にもどうなんだろう。江南くんが夢の中で33年前を見て来ちゃいました…って、なんかそりゃずるいような。途中出てくる「視点」も鬱陶しかったし。「館シリーズ」じゃなければ、それはそれで面白いときっと思ったんだろうけど、やっぱ館だからなあ。
 あと、現在に戻ってきてからも謎が山ほど残ってるのが気持ち悪い。どれもこれも明らかにしてくれよー頼むよーというのが願いです。まあ、そう思ってしまうほどに登場人物に惹かれ、その後の顛末が気になっているという事の裏返しなんですけどね。(家人の中の優秀な医師ってのは実は清なんじゃないかとなんとなく思ったりして。)
 でも釈然とはしないものの、面白くなかったのかと言われるとそうではないんだよな。あれだけの厚さの上下巻をまるで飽きずに読めてしまうというのはストーリーに引きずり込まれているからなんだし。古風な雰囲気もとても好き。中村青司にまつわる大どんでん返しがこれからの館シリーズにどんな影響を与えてくるのかも楽しみ。
 損はありませんでした。館シリーズを愛読してきた人にとっては必読。